刑事訴訟法第239条 「告発」は告訴と違う

「刑事告訴」と、「刑事告発」は違います。

告訴は、告訴権を持った人が行う、処罰の申し入れです。

しかし、告訴権を持たない人物が行う処罰の申し入れは、告発と呼ばれます。

刑事告発は、刑事訴訟法の第239条で規定されています。

刑事訴訟法 第239条 (告発)

1 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。

紛らわしいかもしれませんが、これは重要なことなので、同じに扱わないように注意して下さい。

告訴権者が行うものが刑事告訴。それ以外は、刑事告発

まず、刑事告訴の定義について解説します。

刑事告訴は、告訴権者が、司法警察員または検察官に対し、犯罪事実と加害者への刑事罰を申し入れる意思表示のことです。

そして、告訴権を持つ人は、以下の通りです。

告訴権を持つ人の条件

(どれか1つでも当てはまっていれば良い)

・犯罪被害を被った人

・被害者の法定代理人となれる人

・被害者が死亡した犯罪では、存命の親族

ここまで、よろしいでしょうか。告訴権者の大部分は、犯罪被害を被った人物です。

しかし、それでは、犯罪が発生しても自分が被害を受けていなければ、犯罪事実と加害者への処罰を申し入れることはできないのでしょうか?

実は、そんなことはありません。

もし親告罪でない犯罪行為であれば、被害を被っていない人であっても、加害者への刑事罰を申し入れることは可能です。

※親告罪とは、犯罪被害者が申告しなければ、加害者を起訴することができない犯罪のことです

これこそが、刑事告発です。

犯罪の直接被害を被っておらず、また、犯人でもない第三者が警察または検察に対し、事実と刑事罰を求める申告のことです。

刑事訴訟法第239条の1項に明記されているとおりで、誰でも犯罪があると思料するときは、これを告発することが可能です。

また、刑法上の詐欺罪は親告罪ではありません。

それなので、犯罪被害を受けていない人物であっても、事実を申告し、処罰申し入れをすることは可能です。

ただし、受理される可能性は低い

ただし、注意点としましては、刑事告発は受理される可能性は低いということです。

理由はいくつかありますが、最も大きな理由としましては、犯罪被害を直接受けていないということです。

犯罪被害を直接受けた人物が行う刑事告訴であれば、犯罪被害の全体を全て知っていますので、捜査機関も真剣に取り合って下さることが少なくありません。

しかし、刑事告発は、事件の当事者ではない第三者の、「また聞き」に近い申告です。

警察&検察も、もし被害者ではない人物の申告を信じて、その結果、無実の人を逮捕⇒起訴したりしてしまえば、社会的な信頼の低下につながります。

刑事裁判の原則は、

疑わしきは罰せず、被告人の利益とすること

です。

それなので、被害を被っていない人物の刑事告発を、警察などが真剣に取り扱って下さる可能性は、低いと言わざるを得ません。

逆に、直接の被害者が刑事告訴を行う場合であれば、告発よりも受理される確率は、確実に高まると言えます。

事件の実態を全部知っていますからね。

私も以前に情報商材の詐欺の刑事告発を行いました。しかし、警視庁の管轄の警察署では、受理して下さいませんでした。

というより、面倒なので、まともに対応してなどいられないという形で終わっただけでした。

東京地検に至っては、論外です。これは、別の記事でも解説しています。

(※全ての警察署が、このような対応をしていた訳ではありません。告発であっても、真剣にご対応して下さった警察署も存在します)

犯罪構成要件を満たしていて、なおかつ証拠資料なども十分に添付したにも関わらず、不受理だったのです。

そして、結局はどうなったかと言いますと、

「直接の被害者に、最寄りの警察署で告訴をさせて下さい」

と言われて、終わりました。

それなので、告訴と告発では、信ぴょう性などの観点から、受理される確率がどうしても変わってきてしまいます。

告訴のほうが、告発よりも、受理される可能性は高まるというのが、悲しいですが現実です。

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