刑事訴訟法第242条 捜査義務が発生するのが、刑事告訴

刑事告訴は、もし警察官が受理した場合、警察は必ず犯罪事実などを捜査しなければなりません。

これは、刑事訴訟法の第242条に明記されています。

刑事訴訟法 第242条

司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。

この部分が、被害届とは決定的に違います。言い換えるならば、告訴状(または告発状)の凄いところです。

受理すると、警察と検察が、絶対に動いてくれる

告訴状(または告発状)は、前述のとおり、受理した場合は必ず警察と検察が動く職務上の義務が発生します。

具体的には、以下のような流れになります。

1 告訴人(被害者など)からの、事情聴取

2 証拠物などの収集

3 被疑者(犯人だと思われる人物)への、取り調べ

※この時点で警察が、被疑者を逮捕することもあります

4 供述調書などの書類を作成し、それらを証拠と共に検察庁まで送致

5 検察官も、補充で捜査を行う

6 犯罪嫌疑が十分あり、公訴時効をむかえていなければ、起訴(公判請求)

7 刑事裁判

おおよそ、上記のような流れになります。

断言できることは、刑事告訴は受理さえさせることができれば、

・警察
・検察

この2つの国家機関を絶対に動かせるということです。

それなので、凄い力があると言えます。

ただし、受理されづらいのも事実


しかしながら、刑事告訴のための告訴状などは、受理されづらい傾向にあります。

受理さえさせれば、警察は絶対の捜査義務を負います。

しかし、逆に言うと、警察官も仕事が増えることになってしまいますので、受理をしたがらないのも事実なのです。

悲しいことですが、これが現実です。

前述のとおりですが、告訴告発を受理してしまうと、警察も検察も、実に多くの仕事に追われてしまいます。

・調書と呼ばれる書類の作成

・証拠の収集

・被疑者への取り調べ

・検察は、起訴または不起訴の決定⇒通知

ざっと見ても、上記のような仕事を、警察や検察は行わなければなりません。

また、逮捕のこともあります。

上記の捜査段階で、犯人の可能性が高く、逃亡の恐れがあると判断すれば、警察が裁判所に逮捕状を請求して、逮捕することもあります。

厳密には、被疑者が逃亡や罪証隠滅(証拠を消したりする)の可能性があると判断した場合に、捜査官が行うものです。

殆どの場合は、警察官が行います。

警察も忙しすぎて対応できないことも多い

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また、告訴が受理されづらい一因として、警察の多忙さにあります。

警察も、告訴相談だけを業務としているわけではありません。パトロールなどの日常業務も、存在します。

また、交通違反などの取り締まりや、未解決の事件などの捜査もあります。

また、それ以外でも110番(緊急通報)などがあれば、休日も関係なく出動しなければならないことも、多々あります。

そうした忙しいことが多い中で、告訴相談などを受理して、捜査を行っていられないということも、悲しいですが現実として存在します。

それなので、慢性的に告訴状などを不当に受理しない警察署なども、少なくありません。

特に、大都市部の警察(東京や神奈川県・大阪)は、こうした不当な告訴の不受理が常態化していると言えます。

それでも、告訴をするべき

ただし、それでも刑事告訴は行うべきです。

理由は、刑事告訴・告発は、正当な理由がなければ本来、警察と検察は必ず受理しなければならないからです。

これは、1981年5月20日(昭和56年)の東京高等裁判所の判決で、結果が出ているからです。

「公訴時効をむかえたもの、構成要件に該当しないもの、犯罪事実が特定されていないものを除いて、警察・検察の捜査官は、告訴・告発を受理する義務を負う」

昭和56年5月20日(東京高裁の判決結果)

こういった判決が、過去に出されています。

それなので、告訴告発は本来、正当な理由がなければ警察らは、必ず受理しなければならないのです。

受理しなければ、告訴権者の権利行使の妨害に当たるので、
公務員職権乱用罪(刑法第193条)
に該当する犯罪になってしまいます。

警察官や検察官が、犯罪加害者になるとも言えます。

それなので、告訴・告発は、受理されない場合は徹底して理由を突き詰めて下さい。

・正当な理由が無ければ、受理しなければならない
・受理すれば、絶対の捜査義務を負う

この2点がありますので、告訴を何としてでも成功させて頂ければと思うばかりです。

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