刑事告訴を行うには、告訴状を提出すること

詐欺師を刑事裁判にかけ、刑事罰を与える為には、警察と検察を介入させることが不可欠です。

そのためには、告訴状という書類を司法警察員である警察官、または検察官に提出し、刑事告訴をすることになります。

刑事告訴とは、犯罪被害者が加害者への処罰を求めて、「加害者を刑事裁判にかけて下さい」と、処罰の申し入れを行うことを指します。

最初に まずは告訴状を警察署に提出すること

刑事訴訟法の第241条においては、以下のように規定されています。


刑事訴訟法第 241条

1 告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。

2 検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。

引用元⇒ウィキブックス

書面または口頭で行うとありますので、書類を用意せずとも、刑事告訴をすることは形式上は可能です。

しかし、実際には刑事告訴は書面でないと、警察官が検討~受理してくれなくなる可能性が高まります。

刑事告訴の際には、

  • 被害者は誰か。また、本当に告訴権者なのか?
  • 加害者は誰か?
  • いつ、どこで、犯罪が発生したのか?
  • 犯罪事実はどのようなものか?
  • 処罰意思は含まれているのか?
  • 犯罪構成要件に該当する犯罪行為なのか?
  • 証拠資料は存在するのか?

こういった多くの要素を、警察官は判断しなければなりません。ですので、犯罪事実などを正確に把握するためにも、書類で申し入れることが、事実上は必要になっています。

そして、司法警察員(おおむね巡査部長以上の階級の警察官)か、検察官に対して行うと法律上ではありますが、殆ど例外なく全て、警察署に提出することになります。

警察は、犯罪行為・犯罪者の捜査~逮捕を行う権限を有する国家機関です。

対して、検察は訴追機関であり、主に警察官らが逮捕または書類送検した被疑者を、刑事裁判にかけるかどうかを決定するのが、主な職務だからです。

つまり、第一段階には必ず犯罪事実などを捜査しなければなりませんので、操作能力(人員)などの関係で優れている警察を、まずは動かすということが必須になるのです。

極力、告訴状で刑事告訴をすべき

刑事手続きを進めるための書類には、被害届と告訴状があります。

参考ページ⇒告訴状の書き方や概要(刑事裁判を起こす場合)

結論から申しますと、被害届は受け取っても警察官は犯罪捜査を行う義務は全くありません。受け取っても、捜査をせずに終わりにできてしまうのです。

一方で、告訴状は警察は受理をした場合、必ず犯罪捜査などを行い、調書(書類)や証拠を作成してまとめ、検察庁に送致する義務が発生するのです。

そして、検察庁も補充で捜査を行い、嫌疑が十分で起訴すべき事案だと判断すれば、被疑者を刑事裁判にかけなければなりません。

つまり、告訴状は受理させることができれば、警察と検察という、2つの国家機関が必ず動いてくれるということです。

これは、刑事訴訟法上でも明記されています。

刑事訴訟法 第242条

司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。

引用元⇒ウィキブックス

告訴状の素晴らしい効果はここにあります。

だからこそ、可能な限り告訴状により、警察官に対して刑事告訴を行うことが重要だということです。

受理された後の流れ 

告訴状を受理した後は、警察官は犯罪事実などを捜査し、告訴調書や供述調書・その他補充の調書と呼ばれる、書類を作成します。

そして、被疑者が犯罪を犯した嫌疑があり、逃走や証拠隠滅の恐れがあれば、捜査の段階で警察が被疑者を逮捕することもあります。

逮捕された後は、48時間以内に釈放されるか身柄送検されるかが決まります。

示談などが成立して、和解が見込める場合などは釈放となります。

一方で、和解が成立しない場合などは身柄送検と言い、拘束されたまま検察庁に被疑者は送致されます。

そして、身柄送検後は検察官が補充で捜査・取り調べを行います。

ここで被疑者は取り調べ調査などを受けたのち、検察官に起訴もしくは不起訴にされます。

起訴というのは、検察官が被疑者を刑事裁判にかける手続きを行うことです。
その後、起訴されてから約1か月前後で公判(刑事事件における裁判)が開始され、詐欺師が裁判にかけられることになります。

略式裁判もあるが、詐欺罪は例外

場合によっては公判とはならず、略式裁判という形になることもあります。

略式裁判とは裁判所での裁判は行われず、被告(犯罪者)の住居に検察からの起訴状や罰則納付書(主に罰金)が届きます。

この罰金などを被告(詐欺師)が支払えば、刑罰は終わったことになります。
ただし、略式裁判になるものは罰金刑が存在する、比較的軽微な犯罪行為の場合だけです。

刑法上の詐欺罪には、罰金刑がありません(10年以下の懲役)。

それなので、詐欺罪の罪状で起訴された場合は、略式裁判になることはあり得ないということです。

不起訴で終わることが多いので、和解に応じることも検討を

また、意外ですが、逮捕されてしまった場合であっても、被疑者が確実に検察庁から起訴される保証はありません。

統計では逮捕された場合であっても、ほぼ半数前後は不起訴で終わってしまっているのが現状です。

さらに、驚くべきことがあります。

逮捕されずに、書類送検で検察庁まで事件送致されたものについては、何と70~80%が不起訴処分で終わってしまっている、というのが悲しい実態です。

検察庁の犯罪白書(平成30年度)から引用させて頂いております

それなので、警察や検察および、加害者との協議のうえ、事前の話し合いで詐欺師がお金を返すから、告訴を取り下げて欲しいと懇願した場合は、応じてしまうのも一法です。

逮捕されても確実に検察庁が起訴してくれる保証が無いのでは、被害者が確実に救われるとはとても言えないからです。

ただし、検察庁が起訴したものは、99%は有罪判決で終わります。

これもまぎれも無い事実なので、最終的には被害者自身が判断し、決定しましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です