せどりの情報商材には非常に詐欺が多いというのが、私の経験から言えることです。
特にビジネスなどしたことが無いという初心者の方ほど騙されやすい傾向にあります。
そもそもとしてせどりとは何かという部分から含めて、解説したいと思います。
「せどり=転売ビジネス」のこと
せどりとは何かといいますと、転売して利ざやを得る商売のことを指します。
例えば1個300円でゲームソフト(何でもいいですが)を購入したとします。それを1000円で誰かに転売します。転売の方法ですが、殆どすべてがネット上での取引になるのが特徴です。
主に中古で仕入れた本やCD、DVD・ゲームソフトのほか、玩具などをAmazonなどの大手のネットショップやオークションサイトで転売すれば完了です。
あとは買い手が現れるのを待つだけです。
そして売れると販売価格の1000円から仕入れた商品価格の300円を差し引いた差額の700円が販売者の利益になるというわけです。
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数百年や数千年というずっと昔から転売などは存在しましたが、これをネットを活用して本格的に稼ぐビジネスとしたものがせどりです。
せどりの利点
せどりは利点がいくつか存在します。
- 商品などを自分で作らなくて良い
- 集客の為のサイトなどを作成する必要が無い
- 売れた時点で即報酬になることが多い
1つ目はとにかく大きいです。アフィリエイトなども同じですが、自分で商品を作らなくてよいので圧倒的に従来のビジネスと比較すると楽です。
何十時間~何千時間という膨大な時間をかけて作った製作者の商品をただ横流しして売ればいいだけですからね。
また、ビジネスにおいてもっとも大変な集客作業が必要無いのも利点です。
Amazonやヤフオクなどを使えば、それこそ数万人どころか数十万人、数百万人という見込み客からのアクセスを一瞬にして確保できるのですから、アフィリエイトよりもこの点は遥かに楽です。
最後に商品が売れた場合は、即販売者の口座などに振り込まれることが多いのもメリットです。
アフィリエイトなどでは報酬の受け取りが1か月どころか下手をすると2ヶ月後ということもありますので、魅力があるといえます。
では逆にせどりに欠点は無いかというと、そんなことは全くありません。
むしろここからが本題なので騙されない為にもよく見ていただきたいと思います。
せどりの欠点
せどりの欠点は主に以下の5点です。
1 儲かる商品を探すのが大変
2 価格以外での差別化が非常に困難なので、結局は安売り合戦になりがち
3 仕入れ資金が無いとすぐに開始することが出来ない
4 外注や従業員などに頼まないと、すぐに収入の限界が来てしまう
5 仕入れた商品が売れなければ、不良在庫としてそのまま赤字になる
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では順次見てみましょう。
1 儲かる商品を探すのが大変
まず1つ目は仕入れても利益が出る商品が必ず見つかるかというと、そうでもないのです。今は参入者が非常に多く、売り手の方が買い手より多いということは山ほどあります。
せどり自体が小資本で誰でも実行できて稼げると紹介されてしまったのが発端です。
それを補うために情報商材などで仕入れて利益が出る商品などを一気に検索できるツールやサービスを提供していますが、これを使っている人間は全国各地で山ほど存在します。
つまり、参入者だらけになってしまったので、ツールなどを使っても結局は同じ仕入先などから全国各地で一斉にせどらー(せどりの実行者)が群がって、商品を獲得しようと躍起になってしまうということです。
結果どうなるかは明白ですが、儲けが出る商品などはそもそもとして市場に出回っても、あっという間になくなってしまうということも普通にありえます。
2 価格以外での差別化が非常に困難なので、結局は安売り合戦になりがち
2つ目は、同業者との差別化です。
せどりは単純に転売差益で稼ぐビジネスですが、同業者の数がとにかく多いのです。
Amazonなどで見ていただければすぐに分かりますが、商品写真も基本的には購入者からは同じ物だけで判断されます。
画像の引用元⇒Amazon
出品文などで多少差別化もできるのかもしれませんが、元来の商品価値(保存状態など)が同じであれば、単純に安く売っている方が購入されます。
つまり、安く仕入れられないと他の販売者が一気に値段を下げたときなどに、あっという間に価格の暴落が起こって他のせどらーも価格を下げざるを得ないという事態になってしまうのです。
3 仕入れ資金が無いとすぐに開始することが出来ない
3番目は仕入れ資金の問題です。
せどりは仕入れるためにもととなる種銭が必要です。これを確保しなければなりませんが、言い換えると最初は数万円~数十万円くらいのお金が必要だということです。
もっとも、不用品などを売るなどすればこのくらいは作り出すのは難しくないかもしれませんが、1・2の欠点と相まって資金を投下しても思うように売れなかったということは山ほどあります。
4 外注や従業員などに頼まないと、すぐに収入の限界が来てしまう
せどりはアフィリエイトと違い、ほぼ完全な労働収入です。
1日の時間制限は誰しも同じなので、結局は効率の良し悪しは多少あれど、1人で稼げる限界は絶対に出てきてしまいます。
これを解決する方法としては従業員の雇用や外注に頼むなどの方法が存在します。
しかし、これもある程度軌道に乗っている人がそもそも実践するべきであって、ロクに稼げてもいない人が真似してもむしろ場合によっては赤字になってしまう危険性もあります。
自分の代わりにタダで仕事をしてくれる人などいませんからね。
5 仕入れた商品が売れなければ、不良在庫としてそのまま赤字になる
そしてせどりの致命的な欠点とも言えるのがこの部分です。
1個1万円などで仕入れた商品がもし2万円で売れれば、差額の1万円程度がすぐに販売者の利益になります。
しかし、せどりは自分が仕入れて商品を登録・販売しないと利益が出ません。買い手が誰も現れなければ、その仕入れた資金はマイナスになってしまいます。
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売れないリスクも常に持ち合わせているのがせどりですので、仕入れた商品が思うようにどんどん売れていく保証はどこにもありません。
このリスクとも向き合わなければならないのがせどり(転売)ビジネスの最も大変な部分かもしれません。
ちなみに私自身も過去に20万円くらいせどりで儲ける為にリサーチをかけて仕入れたことがありました。
しかし、ツールや購入頻度などから売れると判断して仕入れた商品が、6ヶ月以上待っても全く購入されなかったということも経験しています。
パソコン・ビジネスの初心者層に相性がいいから売れるだけ
このようにして自分では特に商品を何か新たに生み出すことなく、右から左に横流しするだけでお金になる副業として一躍注目されたのがせどりです。
ですが、前述のとおり現在では参入者だらけですし、簡単に個人が稼げる保証などどこにもないのが実態です。
それどころか仕入れた費用を超える売り上げが確保できず、赤字になって終わりという人も私の知る限りでは後を絶ちません。
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では情報商材詐欺師らが、どのようにしてせどりの商材(詐欺)を販売するか、もうお分かりですよね?
そうです。
こうしたせどりの現状の問題を踏まえて、「個人を稼がせるツールや手法を有料で販売しますので買ってください」と言いながら、近づいてくるんですよ。
そもそも転売は安く仕入れて高く売るというシンプルなビジネスです。
しかもブログなどを自分で全く作らなくとも良いので、パソコンのスキルが低い(あるいは殆どゼロに近い)という人も時間さえかけて慣れれば簡単に開始できます。
それなので、楽して稼ぎたいという思いを捨てきれないビジネスの初心者や、パソコンのスキルが低い方々ととても相性が良いのです。
また、転売ビジネスは高額塾や個別コンサルティングなどの悪質な情報商材も後を絶たないことで非常に有名なジャンルです。
せどりの参入を考えている方自体がパソコン初心者やネット副業で右も左も分からないという無知な人々がとても多いことが、せどり系商材の詐欺の多さに拍車をかけているのです。
せどりで楽して稼ぎましょうなどと宣伝して、大炎上したゴミ高額塾などもかつて幾つも存在しましたからね。
販売者が仕入先などの不利になる情報を公開するはずが無い
最後に、せどりの詐欺商材に騙されない為に大切なことをお伝えしておきます。
転売は所詮価格差を利用したビジネスです。
しかし、参入者が増え続ければ当然のことながら生命線とも言える仕入先から儲かる商品はあっという間に消えていくのは明白です。
これは私もかつてブックオフなどの大手古本チェーン店などで目撃していたのでよくわかりますが、スマートフォンなどを片手に並んだ商品をリサーチしている人は沢山存在しました。
それだけ競合だらけということが、全国各地で珍しくも何とも無くなっているということです。
またブックオフなどの仕入先も、昔と違って現在ではどんどん規制をかけたり自社での直接販売に力を入れていますので、大金を楽して稼ぐことなど極めて難しくなっているのが現状です。
こうした仕入先などは個人には無い大金や大量の人的資源を使用できます。わかりますよね?
せどらーがツールなどで仕入れた商品をいくらで売れば利益が出せるのかなどというリサーチ作業を、こうした仕入先の大手企業が使わない保証などあるはずがありません。
例えばブックオフなどが直接Amazonやヤフーオークションに出店し、せどらーが仕入れても利益を生み出せないほどの価格設定で商品を出品していることなど現在ではごく普通です。
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インターネットのネットショップなどから仕入れるにしても、本当に低価格で儲かる商品を仕入れることが可能な良い仕入先など、販売者が公開すると思いますか?
あるわけがないんですよ。
良い仕入先を数百人~数千人などに情報公開すれば、あっという間に稼げる情報商材販売者の利益が目減りして、自分が稼げなくなってしまう可能性の方が遥かに高まってしまうのですから。
どう考えても転売で稼ぐ情報商材屋にとって、仕入先や販売先などの重大情報を公開する理由などないのです。
まとめますが、転売系の情報商材の中でまともに機能し得るものは私の知る限り殆ど存在しません。
「限定商品を買い占めてプレミア価格で販売しましょう」などというものもありましたが、これも実践する人が増え続ければ稼げない人が出てきてしまうのは明白です。
ましてや限定商品だからと言えど、すぐに売れていく保証は一切ありません。
また無在庫販売なども一時は注目されましたが、今はどうなっているかといえば厳しいと言わざるを得ない状況です。
Amazonなどの大手オンラインモールでは販売者が手元にない商品を出品して、売れた後に仕入れるということを実質的に規約で禁止しているので、無在庫転売などで稼ぐこと自体が困難になり続けています。
また、無在庫販売は仕入れた商品が売れない場合の赤字という危険性が無い反面、誰もが簡単に参入出来てしまいますので競合もそれだけ数多く存在し続けるという現象が起きています。
やはりお金がある程度無いと開始できません。
それなので、もし転売ビジネスに参入したい方がいらっしゃるのであれば、相当な金銭的リスクを背負って開始するくらいの意気込みが必要だと思います。
それもこうした情報商材などに頼ることなく、百万円単位の大資本などを最初に用意して世間一般に知られていないような仕入先などを開拓するなどの努力がこれからは不可欠になると思います。
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